事業構想・企画
事業計画策定にいたるまで
事業アイデアの検討と組織設立
東京貿易グループ(以下、TB-G)を横断して、新事業を立ち上げようという試みがありました。社内のリソースから優秀かつ将来性のある部分を育成するべく発足したのが、新事業開発プロジェクトチームです。そのチームのなかに韓国を代表する大企業で活躍していた社員がおり、その社員の後輩が立ち上げた会社、OMOROBOT Inc.様が紹介されました。同社が開発していたのは、小回りのきく自走式のロボット。今はロボティクスの市場規模が拡大し続けていることもあり、社内で本格的な検討へ。
意思決定が早く、ノウハウやリソースを集約しやすい独立したチームが必要と考えました。そこでTBグローバルテクノロジーズ(以下、TBG)内に事業化プロジェクトチームを設立。スタート時の人数はたった2人でしたが、既存事業組織ではなく専門組織を設置することで、新事業に集中して取り組める環境になりました。
契約合意までのプロセス
事業性を見極めるため、2017年3月に渡韓しOMOROBOT様を訪ねました。そこで初めて、同社が開発したDonkibotを拝見。機能や仕様、会社としての開発方針などをご説明いただき、まさにTBGの新事業開発方針とイメージがぴったりだと感じました。帰国後さっそく、新事業の内容や様々な市場分析から導き出した運営効果の説明を盛り込んだ『事業構想書』を作成。考え抜いた上で事業を構想化したのだと伝わる内容にすることで、事業化検討が進めやすくなります。
ただ、実際にOMOROBOT様との契約が締結したのは、初回訪問から約1年後。初回訪問時はDonkibotが製品化されている前提で渡韓しましたが、その時点で製品化されていないことが判明したため、次のステージにどう進むか判断が必要になったからです。社内で再検討し、技術的にも市場ニーズがあると見込んで共同開発による商品化を決断。またその際、(株)TKアジャイル髙栁直紀社長(現IT顧問)に相談したところ、共同開発するならロボット制御やDonkibotの特徴であるテザー・フォロイング・センサー技術(以下、TFS技術)のノウハウを提供してもらったほうがいいとアドバイスされました。これは、量産化した際の品質保証とスムーズな開発のために必ず実行すべきだと。再度、共同開発のスキームや開発上必要な契約内容を整理し、1年がかりで契約合意に至りました。
『事業計画書』の役割、およびナレッジを残す意味
契約条件に盛り込んだのは、TFS技術を使用したTBG製品の共同開発、日本国内での製造・販売権、共同開発時の技術面のコンサルティング、TFS技術のライセンス契約など。この契約締結を皮切りに、本格的に開発をスタートさせることになったため、『事業構想書』をさらに詳細化させた『事業計画書』を作成。「人とロボットが“共に生きる日常”を実現し、人・地域社会と共に“真の豊かさ”を追求する」という事業理念を明確化し、ブランド名を『CoRoCo』と名付け、事業計画書に盛り込みました。
こうした事業発足の経緯、各打ち合わせで出た意見などはきちんと蓄積し、常に最新の状態に更新することで、貴重なノウハウが社内に共有されます。ナレッジとして残しておくことで次に誰がおこなっても似たような資料を揃える必要がなく、情報の確認ができるためとても効率的です。OMOROBOT様との契約締結までの打ち合わせはすべて議事録として残しており、その数は実に99ページにのぼりました。
こうしていよいよ、事業化に向けた一歩を踏み出すことに。ワクワクした気持ちと、グループ全体のしっかりしたモデルケースにならなければいけないという使命感が湧いてきました。
今回のまとめ
活動内容 | INPUT | OUTPUT |
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新規事業開発プロジェクトチーム発足 |
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アイデアの発掘 |
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新事業開発部設立 |
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事業構想書作成 |
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技術元パートナーとの契約締結 |
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事業計画書作成 |
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