アイデア次第で革新的な技術 “人の役に立つ”を目指して。
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CEOSeokhoon Yoon
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CTOKyuhyong You
local_offer開発課題
大きな壁だった“量産化”が共同開発で実現へ
OMOROBOTは“人の役に立つロボットを作りたい”という理念のもと、2015年に私含む仲間の3人で創業しました。主力製品はモバイルロボット(独自のセンサー技術を搭載した自動搬送ロボット)。私は日本の大学院で、CTOのユはアメリカで、(仲間の1人は今もアメリカで勉強を続けていますが)それぞれモバイルロボット系の研究をしていたんです。創業時、人の役に立つとはどういうことかと悩んだ末、「重量物を持ち運んでくれる」ロボットだと確信。最初の仕上げた試作機が、後にCoRoCoの原点となる運搬ロボット『DonkiBot』でした。
DonkiBotは、リモコンや機械操作に不慣れな高齢者でも簡単に使えるようテザーセンサー技術を用いています。一定の距離、人が曲がった角度などをセンサーがキャッチするようアルゴリズムを開発し、ロボットが追従していく仕組みです。狭い環境でも動作は完ペキ、100kgの積荷も問題なく、テスト段階では大満足の出来栄えだったと言えます。
製品化するにあたり、当然量産も視野に入れていましたが、当時はなかなか市場に参入できずにいました。金銭的な問題も大きかったですが、技術面においても何とか量産に対応するにはどうするか?そんなとき、声を掛けてもらったのがTBグローバルテクノロジーズ(以下、TBG)さんです。DonkiBotを世に広めたいという申し出はうれしかったですし、共同開発なら量産に向けて感じていた金銭面・技術面の壁も乗り越えられそうだ、と。弊社のテザーセンサー技術はライセンス契約を結び、2016年、協働プロジェクトがスタートしました。
local_offer開発工程
人のリクエストに応えるロボット制御の苦労
当初のDonkiBotは、あくまでも試作機。ですから量産に向けて様々な改良が必要でした。もちろんテザーセンサー技術も見直しましたが、部品の開発設計自体は私たちの得意分野ですから、そこまで大変さは感じません。
それより苦労したのは、細かいロボット制御の調整でしょうか。たとえば「(安全面を考えて)機敏な動きは抑える」など運動パターンについては、良いと思うものが人によって違います。
なるべく多くの人のリクエストに応えられるよう実験を繰り返しました。この制御向上においては創意工夫も必要で、たとえば積荷したときの台車の揺れ、台車の揺れなどの記録を取るためにセンサーをロボットに取り付け、ロボットと人の位置関係をチェックしたかったのですが、ロボットの動きをライブで確認することができず何とも使い勝手が悪い。最終的には制御ソフトウェアを自分たちで開発したことが功を奏しました。おかげで様々な行動パターンが確認でき、ロボット制御を最適化するために抽出したデータを積極利用することができたと思います。
試作機でテストを重ね、課題解決につなげる
CoRoCoの開発プロジェクトは、全体の流れをTBGさんが仕切り、弊社は特にロボットの制御技術においてコンサルティングのような役割を果たしました。また、モノづくりは、納得がいくまでレベルを高め、かつ量産に向けて試作を重ねていくことが必要です。中間工程において試験が必要だなと感じたらすぐに試作機を製作。その繰り返しが課題解決につながったのは間違いありません。
試作機作りは、量産モデルを製作するのとはまるで観点が違います。大事なのは早く作って可能性を確かめること。極端な話、1日で壊れてしまっても「このシステムで動くな」とわかれば十分だと思います。弊社の場合、アイデア出しから詳細設計、部品加工、組立調整して動作確認まで概ね1週間程度です。スピーディなモノづくりは弊社の強みですが、私と同じように「早くアイデアをカタチにしたい!」と好奇心旺盛なエンジニアが多いのも特長かもしれませんね。
試作機の試験結果をはじめ工程の進行状況などは、毎週のようにTBGさんとWebミーティングを重ねてきました。日本以外のメーカーとやり取りしたこともありますが、TBGさんは細かいところまで説明が丁寧で、言った・言わないの誤解が生じるようなことは一切ありません。特にグローバルビジネスを成功させるうえでコミュニケーションはもっとも大事な要素なのだと改めて理解できたことは、自分にとって非常に大きな経験となりました。
local_offer完成・未来に向けて
別ブランド『DonkiBot』が世界を席巻するか!?
CoRoCoのグローバル戦略についてはTBGさんと弊社の初回契約時で決めており、海外ではCoRoCoをDonkiBotというブランドで販売します。弊社はアメリカに拠点があり、アメリカで博士課程を修了したユの語学力を活かしながら準備を進めてきました。また、ヨーロッパ圏への進出も見据え、2020年にはドイツで開催される世界最大級の製造・生産技術の展示会『ハノーバーメッセ』への出展も決まっています。すでにドイツの企業がDonkiBotに興味を示しているという情報を得ており、弊社のロボットのニーズが少しずつ世界に拡散されているのを実感できるのは非常にうれしいですね。
世界に向けた販路拡大の準備と並行し、各国のニーズ分析も進めなければなりません。DonkiBotは重量100kgの積荷が可能な運搬ロボットですが、たとえば韓国では300・500kgといったもっと重い荷物を積める産業用運搬ロボットのニーズが高い。さらに、弊社はもともと買い物やアウトドアなどパーソナルにDonkiBotを使ってもらいたいと思っていたので、アメリカならアイデア次第でコンシューマー寄りのDonkiBotも売れるかもしれません。
まだTBGさんと出逢う前、グローバルビジネスを夢見て、DonkiBotの試作機を片手にラスベガスの路上や野球場の駐車場でユと2人、無謀にも即席のデモンストレーションを敢行した日々が懐かしい(笑)。様々な可能性にトライし、世界においてDonkiBotの確固たる地位を築くことが目標です。
304, business incubation center, 55, Hanyangdaehak- ro, Sangnok-gu, Ansan-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
TEL : +82) 70-432-36560
企業URL : http://www.omorobot.com/
提供技術
- 技術開発(組込ソフトウェア開発 / 電装設計 / 機械設計 / 試作)
- デザイン(プロダクトデザイン / グラフィックデザイン)