SEEDsブログ
コラムschedule2021.05.31

中小企業と地域産業を支える影の立役者に迫る①

やまぐち産業振興財団の活動と企業とのかかわり方

「地域社会に根差したビジネスモデルを通じて、未来を生きる子どもたちのために健全な現代社会をつくり続ける」ことを事業ミッションとするわたしたちは、山口県内の産業振興支援をおこなう公益財団法人やまぐち産業振興財団さま(※1/以下「やまぐち財団」、敬称略)の事業に参画させていただいています。

今回は、地域産業を支えるやまぐち財団の活動を通じて、財団自体と山口県の産業などについて知っていただく(+ご興味をお持ちいただくとともに、わたしたちが参画させていただいている事業についてお話ししたいと思います。



山口県の中小企業支援事業のプラットフォーム

まずは、やまぐち財団についてご紹介。
やまぐち財団は、山口県の“都道府県等中小企業支援センター”です。

地域中小企業支援センター
引用元:中小企業庁『地域中小企業支援センターベストプラクティス集』

“都道府県等中小企業支援センター”とは、中小企業支援法に基づき指定された法人であり、都道府県等(都道府県及び政令指定都市)が行う中小企業支援事業の実施体制の中心として、各都道府県等に設置されています。

わが国の中小企業政策は、平成11年の中小企業基本法改正以来大きく様変わりし、その中心として、平成12年度に中小企業支援センター事業がスタートしました。それは、民間人材を活用した支援体制・仕組みをもって、中小企業の課題対応のワンストップ・サービスを目指すものです。“都道府県等中小企業支援センター”は、そのプラットフォーム=中小企業支援センターのひとつとなっています。

つまり、やまぐち財団は、山口県の「中小企業に対する中核的支援機関」として、中小企業支援の“ワンストップ・サービス・プラットフォーム”と言えます。


おおまかには、中小企業を対象に下記のようなことを重点的におこなっておられます。

① 総合的な経営支援
② 生産性向上、産業人材創造の一体的支援
③ 新事業展開・販路拡大の促進
④ 事業承継・創業の促進


このうち③の一環として、取引あっせんをおこなっておられ、わたしたちSEEDsロボティクスも、パートナー企業探しにあたって最適な県内企業様をご紹介いただいています。



やまぐち財団の取組事業(売上拡大事業)

さて、そんなやまぐち財団は具体的にどのような取組をされているのか?

その活動は多岐にわたりますが、上記③「新事業展開・販路拡大の促進」の一つに「売上拡大事業」というものがあります。これが、わたしたちが参画させていただいている事業です。

やまぐち財団事業支援部が運営する当事業は、県内中小企業の製品・技術の販路開拓を目的とし、
・県内中小企業が外部の法人・個人からのアドバイスを得る機会の創出
・アドバイスを生かした製品改良やその他改善計画にかかる費用への助成金支給
をおこないます。さらに販路開拓支援として、専門展示会への一部出展経費の助成も行っています。

この売上拡大事業のスキームは、やまぐち財団において2020年度に開始した初めてのワンストップの事業。今後数年にわたり段階的に発展させていく計画とのことです。


当事業の1年目にあたる2020年度において、わたしたちは“目利き役”として、こんな役割を担わせていただきました。

【役割】
① 応募企業の課題・解決したいこと等の確認(応募フォームに記入された内容)
② 応募企業との面談=「目利き会」
③ 面談を受けての気づき(アドバイス)提供
④ 売上・販路拡大のための共同活動


【取組の内容・流れ】 ※赤枠・赤文字:おもにかかわった工程・内容

取組の内容・流れ
引用元:やまぐち財団からの資料を基に当社作成

わたしたちが「目利き会」でお会いしたのは4社。どの企業様も、それぞれ高い技術と志をお持ちで、山口県のレベルの高さを感じさせられます。。。

環境が大きく変化する中でも、事業存続・発展・成長のためにさまざまな工夫をされ、強く生き抜いていく姿勢を、経営者の方や担当者の方から直接お聞きし、“目利き役”というたいそうな役名をいただきながら、わたしたちのほうが非常に学ぶことが多く、大変刺激になりました。

また、この目利き会で出会った一社が、オーダーユニフォームカンパニー 原田株式会社さま。現在の同社との共同の取組(上図の緑色箇所)につながっています。(※3)

以上のような活動をされているやまぐち財団は、まもなく新山口駅前(山口市)に新設された「KDDI維新ホール」(※4)に移転されます。拠点を新たに、今後さらなるご活躍と新たなお取組により、山口県全体の発展にますます貢献されることが期待されます。



やまぐち財団の特長(主観的に)

筆者の主観的な意見としてお読みいただきたいのですが、
(こういう情報は必要ない、という方は読み飛ばしてください。)

わたしたちがお世話になっている部署(事業支援部および経営企画部)の方々から見るやまぐち財団の特長は、
とにかく判断と動きが柔軟で速くて的確。(加えて皆さん気さくでおもしろい。お土地柄・・・?)

大小の使命を全うするために、日頃より県内外の企業や他団体と志を同じくして連携し、そのネットワークをもって、柔軟に考え、速く実行することを可能にする組織体制であり、人財も備わっていることが大きな強みだと思います。わたしたちがやまぐち財団と関係を築いている中では、そのように感じています。



さいごに

わたしたちがやまぐち財団へ初めてコンタクトを取ったのは、CoRoCoの開発初期、山口県内の開発・生産パートナーを探しているとき。「県内の企業情報・技術などが集約されているものはないか?」とWeb検索で財団のHPに当たったことがはじまりです。以降は、SEEDsロボティクスの事業活動に限らず、別の部署が、要件を基に幅広く企業を探していたり情報収集をおこなっているときにも、コンタクトを取り、要件をお伝えしてアドバイスやご支援をいただいています。

やりたい場所・やりたいことは決まっているが、実行のためのリソースをつかむためにいろいろな角度から情報を集めて、見つけて、選ばないといけない・・・、というとき。その「探す」「情報を集める」に意外と時間を要してしまうものですよね。「ここに聞けば有力な情報があって、必ず答えに近づく!」という相手をひとつでも多く持っていると、早いスタートが切れ、先のリードタイムも大幅に削減されます。

前述のとおり、やまぐち財団のような中小企業支援センターは各都道府県に設置されており、だれでもアクセスが可能です。縁もゆかりもない地域で活動される場合や、詳細な地域情報等がほしいときは、活用されてみてはいかがでしょうか?(方針や目的、手法、取り組み方などはその団体ごとに異なるので、今回の内容と必ずしも一致しないということはご理解いただいたうえで・・・)
みなさんの活動のヒントになることと、その活動が地域の発展につながることを願います。



<関連ニュース>

このたび、やまぐち財団は第55回機械振興賞の支援事業部門において、「中小企業基盤整備機構理事長賞」(※4)を受賞されました。(おめでとうございます!)
受賞テーマは、「山口県航空宇宙クラスターの活動支援」(※5)です。常日頃のお取組が、着実に世の中に認知され、受容れられてきていることがわかります。

第55回機械振興賞 受賞報告会



※1)公益財団法人やまぐち産業振興財団HP:https://yipf.or.jp/ 
※2)当事業の概要:https://www.zenkyo.or.jp/chiiki/gaiyou.htm(公益財団法人全国中小企業振興機関協会HP)
※3)原田株式会社さまとの共同の取組:
   その① https://seeds-robotics.jp/blog/report/1985/
   その② https://seeds-robotics.jp/blog/event/1729/ 
※4)KDDI維新ホール(山口市産業交流拠点施設):https://ishinhall.com/ 
※5)機械振興賞:http://www.jspmi.or.jp/tri/prize/index.html(一般財団法人機械振興協会HP/受賞対象となったやまぐち財団の活動内容)
※6)山口県航空宇宙クラスターHP:https://yamaguchi-aerospace-cluster.jp/ 

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